石川梵の20年間のクジラ漁記録/反捕鯨と伝統捕鯨文化

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クレイジージャーニーに石川梵さんが出演しました!
石川梵さんの追い続ける被写体やその経緯が非常に印象的だったので紹介します!

石川梵(いしかわぼん)さんとは?

年齢:1960年生まれ
出身:大分県
仕事:写真家、映画監督、ノンフィクション作家
奥様らしき方との写真が確認されてますので石川梵さんはご結婚されているようです。

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Contents

石川梵さんの経歴

AFP通信のカメラマンを経験し、1990年から独立しフリーの写真家へ。
世界の大自然と人々の信仰を主にモチーフに取材する。
伊勢神宮は30年以上取材をしており、20年に1度の祭事を2回取材している。
著書に「鯨人」「祈りの大地」など。
その他写真集で「海人」など出版したりTV出演したりなど幅広く活躍。
特にネパール大震災の時はいち早く震源地に行き支援と同時に取材し、ネパール地震のドキュメンタリー映画である「世界でいちばん美しい村」製作し、映画監督石川梵として注目を浴びる。

石川梵さんの受賞歴

1992年 コニカプラザ奨励賞、500万円を受け取り捕鯨撮影の取材費に当てる。
1998年 写真集「海人」で日本写真協会新人賞受賞
1999年 「世界の祈り」でドキュメンタリー写真大賞受賞
2012年 「The Days After」で日本写真協会作家賞を受賞

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石川梵さんの想い

初めてモリで行われる捕鯨を見た瞬間に、全身が震えるくらい衝撃だったと語ってます。
世界の反捕鯨の流れで消えゆく文化であると考えられるクジラ漁を記録して後世に伝えたい。
石川梵さんはその想いで30代の殆どを捕鯨取材に捧げます。
それから20年後の2018年には映画監督石川梵として捕鯨のドキュメンタリー映画を出す予定。

石川梵さんが通う捕鯨村とは?

今回のクレイジージャーニーの舞台はレンバタ島のラマレラ村です。
インドネシア東部に位置する人口2,000人の村で世界でも珍しく捕鯨が許可されている村なんです。
400年以上前から続く伝統的なモリを使った捕鯨方法でクジラを捕獲してきているとても歴史のある村です。
当時植民地支配していたポルトガル人も、捕鯨の様子を見て驚いたという記録が残っています。
石川梵さんはここでそんな捕鯨に出会い強く感動し、現在に至ります。

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捕鯨村の様子

15m級のマッコウクジラを解体した肉が、村の辺り一帯に干乾しにされています。
干乾しにする理由は長期保管ができるからで大きさは定格です。
なぜならその肉で物々交換がされるからで、干し肉1枚でバナナ12本に値します。
また、干している時に肉から出るクジラの脂はペットボトルに集めて後程灯火として使用
します。
石川梵さんが取材し始めた時からこの風景は変わっていません。

捕鯨について

決まり事として捕鯨は5-9月の期間しかできません。
その間20-30頭くらいしか取れないそうで、捕鯨の瞬間に立ち会うのは中々骨が折れます
捕鯨方法ですが、まずターゲットのマッコウクジラは潮流と反対に泳ぎ、流れと釣り合って止まる瞬間があるのでそこを狙うようです。
獲ったクジラは半分は村で消化され、半分は市場などへ売却されます。

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いざ捕鯨現場へ

沖へ出てクジラを発見したら船頭に立ったモリを持った人が鯨に向かって飛び掛かって全
体重を乗せて突き刺します。
モリにはロープが結ばれており、突き刺した後はクジラ対舟のバトルになります。
ちなみにモリを刺す人はラマファと呼ばれ、各船に1人しかいません。
ラマファは誰でもなれるわけではなく、選ばれた人のみがなれるポジションです。
クレイジージャーニーではモリを刺した瞬間に「すげー!」とディレクターが歓声をあげ
るのですが、「動画に日本語が入ると使い物にならなくなるので黙っていろ」と石川梵さんに
怒られる場面がありました。

捕鯨ルール

さて捕鯨ですが、先にクジラへモリを刺した船がクジラの所有権を手に入れるルールで、後は
協力した船が分け前をもらえます!
モリがささると他の船も分け前をもらうために群がってきます。
しかしあまり群がると暴れるクジラに攻撃される可能性があるので、今回のクレイジーじ
ゃニーでは石川梵さんの乗った船は現場から離れて観察していました。

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捕鯨の危険度

通常クジラが息絶えるまでは2,3時間掛かりますが、大物だと数日かかることもあるんだとか!
その間モリを通してロープで繋がった舟は危険が伴いますので、ラマファを中心にクジラを弱らせます。
しかし時にはクジラが暴れて船を攻撃することもあり、過去には船が大破して乗組員全員遭難、自分の服を食べて飢えを凌いだという話があるくらいです。
クレイジージャーニーで使用した船もそこに穴があいており、浸水していたのが気になりましたw

クジラの仕分け

獲ったクジラは村人全員で協力して解体してみんなで分けますが、クジラの部位は誰に上げるか部位ごとに厳格に決まっています。
ちなみに心臓などラマファしかもらえない部位などもあるくらい、ラマファはこの村でとても尊敬されています!
子ども達もいつもラマファの真似事をしていることから、「いつかあんなヒーローになるんだ!」という想いを馳せているんでしょう。
石川梵さんの映画にはそんなシーンも出てくるかもしれません。
そんな皆から尊敬されるラマファですが、非常にゲンを担ぐことで知られていて、「家庭内で問題があった時は海に出ない」と決めているそうです。

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石川梵さんの初捕鯨撮影の話

石川梵さんは捕鯨の瞬間に立ち会えるまでなんと4年かかったそうです。
なんともタイミングが悪かったんですね、今回のクレイジージャーニーではなんと初日に捕鯨の映像が取れていますので奇跡的に運がよかったと言えます。
モリがクジラに刺さった瞬間、クジラの断末魔を聴いて「海の上の撮影だけでは人間の物語になってしまう」
「海の中にはもう一つの物語がある」と感じ、鯨にしがみついて水中で撮影、血走ったジラの目を撮影することに成功します。


モリを刺されたクジラの目は恐ろしいほど赤く血走り、いつもの穏やかな目からは到底考えられないような様子になります。
ただの捕鯨で終わらせず、クジラ側からの撮影もして2面性を表現したのが石川梵さんということですね。

捕鯨団体は大丈夫?

日本はクジラの生態調査目的で捕鯨をしていることで知られていますが、法には触れていないながらも世界中の動物愛護団体やシーシェパードのような反捕鯨団体からパッシングされています。
具体的にいうと船に体当たりされたり火炎瓶を投げられたりしてます。


(明らかに違法行為なんですが、それでも日本が悪いとされる風潮がある)
調査目的ですらそんな有様なのに、こんな食肉用に捕鯨して大丈夫なのか?

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捕鯨の現状

・1985年からIWC(国際捕鯨委員会)が乱獲で減ったクジラの減少を食い止めようと捕鯨禁止を試行、現在に至る(商業用が禁止で、調査用の捕獲はOK)
・日本は調査用でIWCが決めた範囲で捕鯨しているが、世界中の反捕鯨派からは事実上の商業用だと非難されている。

捕鯨派の理由(英、米、豪、仏、独など)

・クジラは賢いので殺してはならない。
・クジラは神聖な生き物なので殺してはいけない
・このままだと絶滅してしまうから。
・クジラは哺乳類で一度に多くの子供を産めないから。
・捕鯨方法が残酷だから。
・そもそもクジラを食べたくても今の時代は生きていける。

捕鯨賛成派の理由(日、ノルウェー、ロシア、アイスランド、韓国など)

・多くの動物を殺している人間がクジラだけ特別視するのはおかしい
・頭が良いというのは人間が勝手に決めているだけで全ての命は同じである。
・クジラの数はIWCの調査でも増えている。
・人間は多くの哺乳類を既に食肉としている。
・世界中で多くの動物が残酷に殺されている。
・クジラを間引くことで海の生態系のバランスを保てる。

IWCの見解

大体の動物は人間食べないだろうに。

伝統的捕鯨に関しては捕鯨を許可するとしています。
但し、捕鯨を止めてwhale watchingに切り替えてみてはどうか?
と打診はしているようです。

捕鯨村の未来

多くのラマファは高齢化していて、今後後継者がいつまで続くか分かりません。
そして一方で2005年頃村は外の世界と道路によって結ばれました。
これによって村人は外界の多くの情報を手に入れて、また金銭による取引も理解し始めました。
魚を売って金銭に変えて、生活品や教育費に充てるという考えにすぐなるかもしれません、なぜならそちらの方がより確実に食料を確保できて安定的な生活ができるからです。

石井梵さんが取材を始めた時には勿論道路などはなくそんな心配はありませんでしたが、現在では伝統的な捕鯨漁が無くなるのではないかと危惧しています。
無くなるその日まで取材する、そして後世に残していく。
その為に石川梵さんは2018年ドキュメンタリー映画をまず公開するわけです。
但し、ラマレラ村の人々にとってクジラは只の食糧では無く、宗教的儀式の側面も持つの
でそう簡単にはなくならないのでないかとも考えられています。
伝統的捕鯨を続けてきたラマレラ村にとっと海とクジラというのは切っても切れない関係、なのかもしれません。

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まとめ

石川梵さんが惚れ込んでいる伝統的捕鯨漁を見ると、生と死、祈りなどあらゆることを考えさせられます。
そんな石川梵さんが作るドキュメンタリー映画は是非すぐにでも見たいですね。

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