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日産とスバルで何が起きたのか?
日産とスバルの完成車工場において、無資格者による完成車検査という不正が常態化しているとして日系自動車メーカーの安全性と杜撰な管理が問題視されています。
日産とスバルの不正問題・時系列
日産
2017年9月29日 日産工場で無資格者の完成車検査の不正が公になる。
2017年10月2日 日産本社にて記者会見、無資格者による不正検査による対象車121万台のリコールと発表。
2017年10月6日 国内すべての日産工場で無資格者による不正が発覚、116万台のリコールと再発表。
2017年10月18日 先の謝罪会見後にも無資格者による不正な完成車検査が続いていたとして日産が報道される。
スバル
2017年9月29日 日産の無資格者による完成車検査の不正を受けてスバルにも調査依頼が来る。
2017年10月2日 スバル群馬工場にて無資格者の不正完成車検査がないかの調査を開始
2017年10月3日 スバル工場でも無資格者による不正完成車検査が行われていることが分かる。
2017年10月5日 スバルから国土交通省に社内ルールとの違いについて問い合わせ
2017年10月27日 無資格検査員が不正な完成検査を行ったことに関してスバルが会見を行う
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なぜ無資格者の問題が起きたのか?
スバルで社内ルールと国土交通省のルールで違いがあった。
スバルでは完成検査員の資格を持っていなくてもスバル社内ルールで十分に完成検査員の知識・技能を身に付けたと認定されたら無資格者は監督者の下で不正な完成検査業務を行っていた。
スバルや日産としては十分に安全な車を送り出せるルールだという自己解釈で今までなんの問題意識もなく無資格者による不正な完成検査をやってきた。
そもそも自動車検査員とは?
自動車検査員とは完成車の完成検査、検査に関する業務指導、監督、書類作成・整理・保管、検査設備の管理、法令情報の把握や事故防止の徹底などを行う人である。
今回日産やスバルで問題になっている不正な完成検査は型式指定を受けるための言わば新車用の”車検”だ。
型式指定とは、公道を走る為のナンバープレートを受けとれる制度のことで、型式指定がなければ陸運局にて車両を持ち込まないといけない。
つまり、陸運局が行う業務を日産やスバルなどのメーカーが代わりに検査しているということ。
国の代わりという大事な業務だからこそ、いくら日産やスバルと言えど、自動車検査員という”資格”が必要なわけですね。
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問題の不正検査方法
スバルではマンツーマンで完成検査員と、現場管理者が認定した検査員(無資格者)に完成検査員の印章を渡して不正な代理押印を認めていた。
勿論このルールはスバル社内のルールで明文化されていない。
スバル車内には245人完成検査員がいるが、過去4年間で無資格者は平均でスバル社内に常時8人いたとのこと。
いつから無資格検査していたのか
スバルでは無資格検査はもはや常態化していて、30年以上続いているとされている。
スバルによると、無資格者による不正な完成検査について今まで問題意識がなかった理由は、十分に車の安全は確保しているという意識があったことと、重大な仕事をしているという意識付けを資格取得前につけるためという理由。
ちなみに日産ではいつ頃から不正が常態化していたか把握できていないことから日産の方が深刻だ。
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無資格検査の対象車種
スバル群馬製作所の生産車種
Levorg, Impreza, SUBARU XV, WRX, SUBARU BRZ 等
トヨタ86もスバルによるOEM製品として含まており、リコール総台数は約25万台になる見込み。
その場合のスバルが負担するリコール費用は50億とされています、凄まじい金額ですがスバルは英断したと言えます。
日産全工場
日産追浜工場:シルフィ、ノート、ジューク、キューブ、リーフ、マーチ
日産栃木工場:GT-R、フーガ、フェアレディZ、スカイライン、シーマ
日産自動車九州:セレナ、ティアナ、エクストレイル
日産車体九州:ウィングロード、NV200バネット、エルグランド、キャラバン
オートワークス京都:シビリアン、アトラス
日産の国内全工場が不正対象なので車種も半端でないですし、リコール数も120万台以上するとのこと以上と半端でないです。
出荷停止になっている日産車6万台の在庫も再検査するようで日産は今回の不正によるリコール費用で推定250億円の特別損失を計上することになりそうです。
今後の展開
スバルの場合は日産の無資格者による不正な完成車検査を受けて、常態化した無資格者による不正が浮き彫りに。
これからリコール、資格者による検査を徹底すれば日本国内であれば数年でスバルの信用は回復すると思われる。
しかし、日産に関しては無資格者による不正発覚後も不正を続けていたこともあり、信用回復には更に時間がかかると想定。
海外では日系の車は故障しにくいという品質評価があるので大打撃にはならないかもしれないが、それでもあえて日産やスバルの不正車を購入する物好きは少なくなるだろう。
まさに、やっちゃえ、やってしまった日産。
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まとめ
日産とスバルで起きた無資格者による不正な完成車検査について紹介しました。
今回スバルや日産で発覚したのは神戸製鋼同様に内部告発と思われますが、根本的な問題は日系企業特有の安全性に対する自己解釈です。
日本人は安全についてかなり確認していて実際問題ない可能性が高いですが、それでも法律を無視して不正に検査していたことは問題です。
つまり結果は問題ないがプロセスに問題があったということです。
営業などで数字を作るうえでは結果が全てですが、人命が関わる品質管理や検査は決められたプロセスに則って行うべきですね、いくら日産やスバルといえど。
つまり、安全性とコンプライアンスを分けて考える必要があるということです、ニュースではごっちゃに考えている所が多いので。
今後の日系製造業はどうなっていくのか・・・
良くも悪くも今回の日産とスバルの無資格者の不正事件で転機が来ている気がします。